ITmedia NEWS掲載:株式会社チームスピリット インタビュー
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公開日:2026年2月2日
JIPDECは、IT関連のニュースを幅広く提供するニュースサイト「ITmedia NEWS」のタイアップ記事として、プライバシーマーク付与事業者である「株式会社チームスピリット」へのインタビュー記事を掲載しました。以下に全文を掲載します。
Pマークは攻めの投資 躍進するSaaSチームスピリットが語る、信頼を武器に変える戦略とは
事業成長のアクセルを踏みたいが、セキュリティ対策が後回しになっている——これは、多くのスタートアップが直面するジレンマではないだろうか。限られたリソースをプロダクト開発や営業活動に集中させたいが、大手企業との取引やIPOを目指すフェーズでは盤石のガバナンス体制を要求される。守りの不備がチャンスを逃す原因になるのは避けなければならない。
この課題の解決策が「プライバシーマーク」(以下、Pマーク)だ。
「Pマークの取得は顧客や自社を守るだけでなく、取引先候補となる企業のセキュリティ審査をスムーズに通過することで商談を迅速化し、ビジネスを加速させるための『攻めの投資』です」——こう語るのは、チームスピリットで法務部長を務める有馬幸菜氏だ。2018年に上場し、勤怠管理や経費管理などのクラウドサービスを提供する同社は、個人情報保護体制の構築やセキュリティ対策をいかにして競争力の源泉へと変えたのか。ITmedia NEWS編集部の吉川大貴が話を聞いた。
※以下、敬称略
Pマークの要求事項を、個人情報保護法対応の「道しるべ」に
吉川 昨今、個人情報の取り扱いへの社会的な関心が高まっています。法務責任者として、こうした変化を実感する機会は増えていますか。
有馬 さまざまな場面で、お客さまの意識が高まっていると感じます。契約前の詳細なセキュリティチェックシートの提出や、適切な個人情報保護体制を契約条件として求められることも増えました。
吉川 大手企業や外資系企業からの要求水準は高いと聞きます。そうした厳しい要求にどのように応えているのでしょうか。
有馬 「個人情報を適正に取り扱っている」という事実だけでなく「対外的に分かりやすく証明できること」が契約獲得の必須要件になっています。当社は2010年からPマークを保持しており、この認証を取得して運用する中で培った個人情報の取り扱い体制が、お客さまの基準を満たしていると評価していただいています。
吉川 16年ほど運用を継続されているのですね。長年の積み重ねが現在の信頼につながっているのだと納得しました。当時Pマークを取得した背景には何があったのでしょうか。
有馬 当社がPマークを取得した2010年は、受託開発事業から現在の主力であるSaaS事業へと大きく方針を転換した時期でした。
私たちのサービスは、お客さまの勤怠データや経費精算データといった機微な情報をお預かりします。事業成長のためには、それまで以上に盤石な個人情報保護体制を構築し、お客さまに安心してサービスを選んでいただくための「土台」が必要でした。
当時、最初の第三者認証としてPマークを選んだ経営判断を振り返ると、「国内での知名度の高さ」が決め手だったと認識しています。Pマークは日本の個人情報保護法に対応した「日本産業規格JIS Q 15001」をベースにしており、具体的な運用に関わる要求事項を満たす必要があることから、取得していること自体がお客さまの安心感に直結します。
認証の有無に関係なく法令順守は必須ですが、Pマークの取得で求められるリスクアセスメントや内部監査といった運用は、多くのお客さまにとって取引の「当たり前の基準」となっています。これらを満たせていない状態は、商談にレッドフラグが立つことを意味します。
吉川 個人情報保護法にも対応しており知名度も高いPマークを取得していると、個人情報取り扱いの適正性確保はもちろん、顧客への説明という点でも有利ですね。
スタートアップ企業からは、個人情報保護やセキュリティに関する取り組みについて「何から手を付けるべきか分からない」という声もよく聞きます。このような企業はPマークの要求事項にどのように対応すればよいのでしょうか。
有馬 個人情報保護法は「最低限の義務」を規定していますが、「何を」「どのように」実装するかは事業者が考えなければなりません。しかし多くのスタートアップには、その判断ができる専門家がいません。そのときに、Pマークの要求事項が「道しるべ」になります。
データ保護やリスク管理の大前提として「どこに、どのような情報が、何の目的で利用・保管されているか」の正確な把握が必要です。しかし、一から全ての情報を把握し、管理するのは容易ではありません。その点Pマークは管理・運用項目が具体的に規定されているので「この項目に沿って構築すればいい」「これを調べればいい」と迷うことなく効率的に進められます。
もちろん、社内リソースだけで完結させるのが難しい場合はコンサルタントの活用も有効な手段でしょう。重要なのはPマークの枠組みを利用して、自社のフェーズに合った運用体制を構築することです。
商談を加速させる「攻めの武器」に
吉川 道しるべがあるのは心強いですね。ただ、第三者認証の取得は工数増加などのコストにもなり得るのではないでしょうか。
有馬 確かに費用も工数もかかりますが、それに見合うリターンがあると考えています。その鍵となるのが「説明コスト」の削減です。
そもそも、個人情報の保護体制は法令対応の一環として必須です。しかし、自社だけで構築した体制を対外的に証明するには膨大な手間がかかります。認証がないと「実際の運用状況を見せてほしい」と個別に監査を求められたり、取引条件を満たせず商談のテーブルに着けなかったりすることもあります。
Pマークがあれば、確認作業の多くが「取得済み」の一言で完了します。セキュリティチェックシートの記入が免除あるいは簡略化されることも多く、受注までのリードタイム短縮につながります。顧客の信頼をスピーディーに獲得し、商談にかかる工数や時間を大幅に削減できることを考えれば、コストをかける価値はあります。
吉川 商談のリードタイム短縮は、ビジネスにおいて非常に大きなメリットですね。投資家や市場からの評価で、Pマーク取得がプラスに働いた場面はありましたか。
有馬 有価証券報告書等のIR資料において、Pマークの取得や運用実績を明記しています。セキュリティリスクなどのリスク管理が適切に行えていない企業は投資家から敬遠されます。当社はPマークを維持し続けており、これが信頼獲得につながっています。
現場の負担軽減と、「形骸化させない」ための実践的な工夫
吉川 「攻め」につながるとはいえ、厳格な運用を継続するにはパワーも必要です。認証を取得したことで現場の負担が増える場合もあると聞きますが、負担軽減のためにどのような工夫をしていますか。
有馬 当社はPマークを含む複数のプライバシー・情報セキュリティ認証を取得していますが、以前は規格ごとに規程が分かれており、書類も二重に管理していました。これを一元化し、共通部分は統合する運用に切り替えました。
吉川 仕組みをいくら整えても、現場の意識が伴わなければ形骸化してしまいますよね。その点はいかがですか。
有馬 規格をそのまま規程にしただけでは、内容が難しくなったりページ数が膨大になったりしがちです。その結果、従業員が理解しにくくなり、適切な運用につながらない場合があります。そこで、数十ページある規程の特に重要な部分を抜粋し、実務に即した形で分かりやすく示したハンドブックを作成しました。なお、定型業務はBPOに委託することで、社内リソースの負担も軽減しています。
Pマークの運用を形骸化させない最大のポイントは、経営層のコミットメントにあります。当社のPマークの運用には、個人情報の取り扱い責任者として役員や各部門の本部長も参加しています。個人情報の取り扱いに関するリスクアセスメントや、リスク低減策の検討や実施において主体的な役割を担います。経営層の意識が高ければ現場の意識も自然と高まりますし、「業務効率と安全性を両立させるプロセス、仕組みの構築は当然のこと」という組織文化が生まれます。実際に、業務フローに合わせたポリシーを現場が自発的に作り、従業員研修を実施する動きも出ています。こうした意識付けを日々のオペレーションに自然に組み込むことが重要です。
吉川 現場から自発的に動きが出てくるというのは理想的ですね。
Pマークの維持には外部から審査を受ける必要がありますが、審査を通じて自分たちだけでは気付けなかった改善点が見つかったエピソードなどはありますか。
有馬 2010年にPマークを取得してから8回の更新審査を重ねていますが、毎回プロの視点から新たな気付きを頂いています。もちろん、指摘を受けたらすぐに改善しています。自社だけでは見落としがちな改善点を定期的にアップデートできるのはとてもありがたいことです。個人情報保護の観点で企業価値をより一層高める貴重な機会だと認識しています。
吉川 外部審査が入ることで緊張感が生まれ、ガバナンス維持に役立っている側面もありそうですね。
有馬 おっしゃる通りです。事務局も現場も、個人情報の取り扱いを見直す時間として有効に活用できています。
Pマークは成長の「基盤」と「資産」
吉川 Pマークの運用は、実際のサービス設計や開発プロセスにも影響を与えているのでしょうか。要求事項をどのように組み込んでいるのか、教えてください。
有馬 事務局側が個人情報の取り扱いを把握するのは現実的ではないため、現場への意識付けを通じて、自然にプロセスに組み込まれるようにしています。
他社で起きた事故を解説するメールを配信したり、自社で実際に発生したヒヤリハットを共有したりするなど、普段から意識してもらう取り組みを続けています。マネジャーには、プライバシーやセキュリティを含むリスクマネジメントの考え方をしっかりとインプットしています。こうした取り組みの結果、サービスの設計や開発プロセスにプライバシー・バイ・デザインやセキュリティ・バイ・デザインの考え方が自然と組み込まれています。
吉川 現場への浸透が鍵ですね。成長段階にある企業だからこそ見えてくる、第三者認証の重要性や意義のようなものはありますか。
有馬 当社はマルチプロダクト戦略を推進していますが、新しいプロダクトを生み出すことは、新しいプライバシーリスクを生むことを意味します。個人情報保護体制や情報セキュリティ体制の土台がないと、新しいプロダクトを開発するたびに一から運用を再設計しなければなりません。足元の体制が盤石であれば、プロダクトごとに多少アジャストさせるだけで済み、スムーズにプロダクトをローンチして事業成長に貢献できます。
吉川 最後に、Pマークの取得を検討している経営者やガバナンス構築に課題を感じているビジネスリーダーに向けてメッセージをお願いします。
有馬 個人情報保護体制の構築や第三者認証の取得にはコストも労力もかかります。ただ、「必要になったら始めればいい」と後回しにすると、事業が成長してデータ量が増えてから整備することになり、かえって膨大なコストと労力がかかってしまいます。
事業の成長フェーズで足かせにならないように、早めに基盤作りをしておくことが大事です。個人情報保護体制や運用が社内に定着すれば、それ自体が会社の資産になります。それが信頼を高め、さらなる成長の礎になります。中長期的な目線で成長への投資と考えることが重要です。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia NEWS編集部
ITmedia NEWS(タイアップ記事) 2026年 2月 2日掲載記事より転載
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