ダイヤモンド・オンライン掲載:富士通株式会社インタビュー

公開日:2026年2月2日

JIPDECは、ビジネスパーソン向け情報サイト「ダイヤモンド・オンライン」のタイアップ記事として、プライバシーマーク付与事業者である「富士通株式会社」へのインタビュー記事を掲載しました。以下に全文を掲載します。

富士通の「Healthy Living」が医療課題解決に革新をもたらす—AI×パーソナルデータによる価値創造と、「Pマーク」と共創する“信頼の基盤”とは

AIとパーソナルデータの掛け合わせが新たな価値を創造し、産業の革新や社会課題の解決を加速させる時代。富士通が推進する「Healthy Living」は、日本の医療現場を、テクノロジーで救おうとする挑戦だ。この革新的な取り組みを支えているのは、最新のAIソリューションと患者の機微な個人情報を守る「Pマーク」への信頼である。


AI時代に“人間の尊厳”を守る信頼の基盤

「私が一番避けたいのは、個人が人間としてではなく、データとして扱われる社会になること。それだけは絶対にやってはいけない」

富士通で医療・創薬領域でのパーソナルデータを用いた新たな事業開発を指揮する、グローバルソリューションビジネスグループ クロスインダストリーソリューション事業本部 VP, Healthy Living事業部長の荒木達樹氏はAIとデータ活用が極まった先の未来について問われた際、そう語った。

今、あらゆる企業において「AI×パーソナルデータ」による価値創造が喫緊の課題として求められている。そして、そのイノベーションの成否を分けるのは、高度なAI技術であると同時に、源泉となるパーソナルデータをいかに適正に扱うかというガバナンスだ。

個人情報たる性質を有するパーソナルデータ。この機微な資源を預かるに足る「信頼」を得られなければ、その事業は成長を手にすることができない。

医療業界でいえば、近い未来、AIが患者の遺伝子情報まで学習し、「この治療がベストだ」と“正解”を出す時代が来る。しかしそれは、一見効率的だが、そこには個人の意思や尊厳が介在する余地がなくなる危険もあり得る。

荒木氏は続ける。

「本来なら個人が自身のデータをきちんと管理できなければならない。しかし、企業や組織に比べて、個人の立場は格段に弱い。だからこそ、企業や組織において、本当に実効性のある形でデータが守られているか、第三者が検証する仕組みが必要だと思います」

その客観的指標となるのが、個人情報保護体制を整備し適切に運用している事業者を第三者が審査・評価する「Pマーク(プライバシーマーク)」だ。

AI×パーソナルデータの時代において、なぜ今、企業が「Pマーク取得」という意思決定を行うべきなのか。その戦略的意義について、荒木氏の携わる事業を通して深掘りしていく。

富士通株式会社
グローバルソリューションビジネスグループ
クロスインダストリーソリューション事業本部 VP, Healthy Living事業部長
荒木達樹

崩壊寸前の医療現場と、富士通の挑戦

まず、富士通が推進する日本の社会課題を起点とする事業モデル「Uvance(ユーバンス)」、その中核領域の一つである「Healthy Living」を通じて取り組む課題の深刻さを共有しておきたい。

現在、日本の医療提供体制は危機的状況にある。国民医療費は46兆円を超え、その約半分を人件費が占める一方、医療機関の約75%が赤字経営にあえいでいるのだ。

さらに、病院常勤医の約4割が年960時間超の時間外勤務を強いられており、医療崩壊は目前に迫っている。

「約46兆円に上る日本の医療費の約半分は人件費であり、そのうち約16%は事務作業に充てられています。つまり、事務作業だけで年間約3.26兆円ものお金が費やされているのです。煩雑な事務作業をAIに置き換えるだけでも、医療費は大幅に抑制され、医療従事者の負担はかなり減らせるはずです」

そのために富士通は「Healthy Living Platform(HLPF)」を提供している。

さまざまな医療機関による同じ患者の診療データや、患者個人がスマートデバイスなどで取得した健康データを統合し、全ての医療機関がそのデータを共有することで、医療サービスや事務手続きの合理化が図れるプラットフォームである。

このプラットフォーム上では、複数の特化型AIエージェントと、それらを指揮するオーケストレーターAIエージェントとが協働する。

現状、人間が対応している、「電話対応」「受付」「問診」「カルテ入力」といった間接業務をAIが自律的に代行することで、医療従事者は本来の診療やケアに集中できるようになる。

さらに将来的には、医療機関や地域ケア、バイオメディカル研究などがシームレスに接続された「分散型ヘルスケアシステム」の構築を目指している。

これにより患者は時間と場所の制限から解放され、医療サービスが公平に提供されるようになるとともに、医療リソースの最適配置が実現する。HLPFは医療現場の崩壊を防ぐ、次世代インフラとなる可能性を秘めているのだ。

AIとデータを活用した新しい医療ワークフローを構築し、3.26兆円を占める医療従事者の事務作業費をAIエージェントによって大幅に削減していく。
*1:令和4(2022)年度の国民医療費は46兆6,967億円。そのうち医療費の46%が人件費(厚生労働省「平成27年度医療費の動向」「医療機関の費用構造の推移」から推定)
*2:医療従事者の事務作業の割合が約15.7%(厚生労働省「第8回医師の働き方改革に関する検討会」)

「機微情報」を扱うが故の、絶対的な信頼の必要性

しかし、こうした医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進には高いハードルが存在する。

それは「信頼」の壁だ。 HLPFが扱うのは、電子カルテの診療データ(EHR)や個人の健康データ(PHR)、さらには将来的に創薬に活用されるゲノムデータなど、極めて機密性の高い個人情報(機微情報)である。

「われわれが扱う医療・健康データには二つの特徴があります。一つは『機微性』、もう一つは『特定性』です。氏名がなくとも、『この病歴ならこの人だよね』と特定できてしまう可能性のことです」

HLPFは、すでにデータ共有できる環境の整備はかなり進んでおり、現在は全国の医療機関へ参加を呼び掛けている段階だ。

だが、参加の意義や、それによってもたらされるメリットは十分に理解しているものの、慎重に検討を重ねている医療機関も少なくないという。

そうした不安に配慮して、富士通は厳格な個人情報管理ができるガバナンス体制を確立している。

「個人情報を適切に管理している」と評価された事業者が使用できるPマークを取得していることも、その一つだ。

一人一人に合った治療機会を提供できる社会基盤を創造する

Pマークは、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が、日本産業規格「JIS Q 15001 個人情報保護マネジメントシステムー要求事項」に準拠した審査基準に基づき、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備し運用している事業者等を評価して付与するマークである。

実は、医療機関におけるデータ共有はHLPFの目的の一つにすぎない。

HLPFの運用に関してPマークの役割が特に重要視されるのは、個人のデータが「適正な形」で、医療機関だけでなく、製薬会社や研究機関などと情報共有されることも視野に入れているからだ。

「患者の医療・健康データの利用は医療機関の中だけで完結するわけではありません。製薬会社や研究機関といった第三者へ提供されることで、新たな価値が生まれます。そうした場合、個人のデータをいかに適正に扱っていくかが非常に重要なのです」

荒木氏は続ける。

「将来的には、適正に共有された患者の膨大な医療・健康データを基に、ドラッグロスの原因となっている治験を効率化し、費用対効果が乏しく、開発が進まない感染症や希少疾患向け医薬が提供しやすくなる環境の実現に貢献したいと考えています」

「Healthy Living」事業は、医療の効率化のみならず、人々が「自分らしい生き方を選ぶことができる世界」を創るための事業なのだ。

医療従事者が使うウェブアプリ「患者ビューワ」。EHR(医療機関や地域ネットワークが保有するデータ)とPHR(患者自身が保有するデータ)を連動・比較しながら、患者の状態を正確に把握でき、診療業務を最適化・効率化できる

Pマークは社会的信頼をもたらす要素

荒木氏は、Pマークがもたらす効用を「内部統制」と「外部信頼」の二つの側面から語る。まず内部統制の面では、Pマーク取得の基準に適合したマネジメントシステムを構築することで、組織的な管理体制が強化される。

「Pマークは一度取得したら終わりではなく、付与され続けるために管理体制の維持や継続的な社員教育をしっかり行わなければなりません。そうした厳格さが信頼や信用につながり、企業文化の改革を促すのではないかと期待しています」

リスク分析・対応、社員教育、内部監査等のプロセスが業務に組み込まれ、経営層が関与する形で運用することで、社員一人一人の意識が底上げされ、情報漏えいリスクを自律的に検知・報告する文化が醸成されるのだ。

「富士通では経営側でもCISO(最高情報セキュリティー責任者)を配置し、リスク・コンプライアンス委員会で月次のレビューを行っています。一方で、現場も自律的にリスクをチェックし、何かあれば即座に報告が上がる。この経営と現場の両輪が回っていることが重要です」

そして外部信頼の面において、Pマークは「共通言語」となる。 HLPFは、医療機関、大学、製薬会社、さらには海外のパートナー企業とも連携するエコシステムだ。その際、相手が最も懸念するのは「データの安全性」である。

「果たして富士通は、医療データのような機微情報を扱うに足る信頼性を持っているのか。その問いに対し、Pマークを取得し維持していることは、われわれの管理体制が定期的なモニタリングに耐え得る水準で動いているという、客観的で分かりやすい証左になります」

国内はもちろん、海外企業に対して自社の価値を示す際にも、Pマークの存在は、自社が「信頼できるパートナー」であることを示す強力な名刺代わりとなる。

AIビジネスにおいてデータ連携が必須となる今、Pマークを持っていないことは、それだけでビジネスの機会損失になりかねないのだ。

「同意」のデザインが、個人の尊厳を守る

一人一人が「自分らしい生き方を選ぶことができる世界」を目指すHLPFには、データの主体である「個人」への深い配慮が組み込まれている。

それが具現化されているのが、患者向けスマートフォンアプリ「ポータブルカルテ」における同意管理の仕組みだ。

患者は同アプリを通じて、自身の診療データや健康データが「何のために(研究目的、診療連携など)」「誰に」使われるのかを確認し、目的ごとに明示的に同意を与えることができる。そして、気が変わればいつでも同意を撤回できる機能も備えている。

「『データは誰のものか』という議論はありますが、究極的には個人のものです。だからこそ、分かりづらい同意取得は絶対にやりません。個人が適切な情報に基づいて合理的に判断できる、それが大前提です」

ここにも、Pマークが求める「本人の権利への対応」といった原則が息づいている。法律を守るためだけでなく、ユーザー(患者)との信頼関係(エンゲージメント)を築くために、個人情報保護の原則をサービスデザインに落とし込んでいる点は、多くの企業が参考にすべき姿勢だろう。

患者向けスマホアプリ「ポータブルカルテ」。患者は手元のスマートフォンで簡単に自身の診療データを参照できる。また診療データ、および健康データの外部保存や利活用に関する同意をアプリで操作し、いつでも同意撤回が可能だ

崩壊の危機に直面する日本の医療を守り、人々に「自分らしい生き方を選ぶことができる世界」をもたらすため、富士通の「Healthy Living」の挑戦はこれからも続く。

「そのために欠かせない社会的信頼とイノベーションをもたらしてくれる要素の一つが、Pマークであることは間違いありません。これからもUvance、そしてHealthy Livingは、企業や研究機関、地域、そして人と、互いに信頼を感じ合える関係性の上で、社会課題解決に貢献できる活動を続けていきます」

と、最後に荒木氏は語った。

AI×パーソナルデータの活用がビジネスに価値創造をもたらす時代に、個人情報保護への取り組みは、もはやコンプライアンス部門だけの課題ではない。

企業の信頼はコラボレーションやイノベーションの源泉であり、経営の中枢に関わる戦略的アジェンダなのだ。

信頼経営の証左である「Pマーク(プライバシーマーク)」をまだ取得していない企業は、事業成長に不可欠な基盤と捉える時が来ているのではないだろうか。

プライバシーマーク制度を詳しく知る

●問い合わせ先
一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)
https://www.jipdec.or.jp

富士通の Uvanceの取り組み
https://global.fujitsu/ja-jp/uvance

ダイヤモンド・オンライン(広告企画) 2026年 1月 26日掲載記事より転載

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お問い合わせ

一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)
プライバシーマーク推進センター

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東京都港区六本木一丁目9番9号 六本木ファーストビル内

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