「第59回宣伝会議賞」に協賛(課題掲出)をします

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公開日:2021年10月1日

JIPDECでは一昨年から、日本最大の公募広告賞「宣伝会議賞」へ協賛を行い、コンテストの課題を掲出しております。今年度も「第59回宣伝会議賞」へ協賛を行うこととなりました。今回は「プライバシーマークの魅力を伝えるためのアイデア」を募集します。

今回の課題は過去2回の「多くの人に知ってもらうためのアイデア」ではなく、「魅力を伝えるためのアイデア」としました。そこで「魅力を伝えるためのアイデア」を考えるとき、無形商材であるプライバシーマークについて、どのように考えれば良いのでしょうか。

前回大会ファイナリストインタビュー

ライトな表現をしてもいい。窮屈に考えすぎる必要はない。
~第58回宣伝会議賞ファイナリスト 井上さま(シルバー受賞)・松尾さま インタビュー~

JIPDECでは、昨年の第58回宣伝会議賞にて、シルバーを受賞された井上悠仁さまと、ファイナリストの松尾栄二郎さまへお話を伺いました(以下、敬称略)。お二人の作品は、当協会課題に対しての応募作品でした。

キャッチコピーを考える際には、自分で制約を作る

—まずはキャッチコピーを考えるという点でお聞かせください。キャッチコピーを書くことを生業としている上で、日ごろから気にかけていることはありますか?

松尾:私は"影響を受けやすい"という自覚があるので、なるべく人が作ったものを見ないようにしています。クライアントの過去の広告などは見ますが、コピー年鑑などは見ません。テレビCMなどで印象に残ったものを覚えている程度です。

井上:もともと本が好きなので、習慣で本を読んでいます。私は反対に良いコピーはすごく見たい派で、応募期間中もたくさん見ていました。

松尾様は、この行動がコピーを考えるうえで活きているなと思うことはありますか?

松尾:音楽は聴いています。韻を踏むとか、言葉のリズム感とか、そういった面では活きているのかなと思います。

—では、キャッチコピーを考えるうえでのこだわりはありますか?

松尾:その企業の良さ、を意識しています。クライアントからのオリエンで説明を受けると、「そこは売りではないのでは?」という点を打ちだしている場合があります。そんなときは、企業の売り・良さを客観的に捉えて、それを表現するということを意識しています。第三者視点で客観視すること、ですね。出来ているかはさておき、ですが。長いものに巻かれているだけではないけない、と思うことが多くなってきました。

井上:自分の中で制約を作るようにしています。何文字以内で、とか、この言葉は使わないように、とか設定を作っています。すべての商品で気を付けていることですが、例えば、食べ物の表現をするときに「おいしい」という表現を使わない、などです。前回の宣伝会議賞でシルバーを取ったコピーもそうやって考えました。JIPDECはホームページが真面目な雰囲気なので、逆に真面目ではない感じで考えたりしました。

—お二人の目から、好きなキャッチコピー・印象的なキャッチコピーはありますか?

松尾:私はそのときどきの気分によって好き嫌いも変わるんですが(笑) 日清食品さんの「いまだ!バカやろう!」が好きです。エンゼルスの大谷(翔平)選手の二刀流も、最初は否定されていました。それでも今は「すごい!」となっていますし、そういう一見バカな!と思うことが大切なんだと思いますね。ひらがなとカタカナだけなのも良かったです。かっこつけた感じではなくて、すごく親しみやすいコピーだなとも思いますし、憧れます。

井上:日本プロ野球名球会のコピーで「平成は終わる。伝説はどうだ。」というのがあり、それが好きです。カッコいいコピーを書きたいという憧れはあるんですが、そういうコピーでは、情報が抜け落ちて伝わりづらくなってしまう。でもこのコピーは少ない情報で、すべてを伝えている。綺麗だなと思いました。

応募期間は、他の人はもっと良い作品を考えているんじゃないかと悩み続ける

—では、続いて本題です。宣伝会議賞についてお聞きします。宣伝会議賞へ参加するモチベーションは何ですか?

松尾:面白い仕事したいと、自分の実力を証明するために参加したのが最初です。2019年に協賛企業賞を受賞して、その際の贈賞式で仲間がたくさんでき、その後はその仲間たちと競い合うのが楽しい、というのがモチベーションになっています。

井上:昨年4月から今の会社でコピーライターとして働いています。宣伝会議賞へは上司からの勧めもあり、力試しということで挑戦しました。賞に対する熱意というよりも、コピーを考えるのが楽しいので参加した、という感覚です。

—1か月半の応募期間中、お仕事をしながらの参加は大変ですか?

井上:仕事の合間なので、時間の捻出は難しかったですが、Twitterを見ると参加者がみんなで盛り上がっていて、お祭りに参加しているような感覚で参加していました。自分からこんな言葉が出てくるんだ、という発見もあって、楽しんでいました。

松尾:正直、苦しいです。1本書いたとしても、仲間はもっと良いものを書いているのではないか?と悩み続けています。最終的には開き直って応募するしかないんですけどね。

—お二人はすべての課題にフル応募(第58回宣伝会議賞は、1課題あたり1人100作品まで応募可だった)でしたか?

松尾:全課題へ上限まで応募したこともあったのですが、それだと1本のクオリティが甘い気がしていて、今はしていません。全部で1000本書くというのを目標にしていますが、量より質を気にしています。

井上:1課題あたり2本ずつくらいしか書きませんでした。すごい量の応募をしている人をSNSで見かけましたが、ちょっと疑っていました(笑)

Pマークの課題は難しそう。だからこそチャレンジ精神を掻き立てられた

—ではこの流れで、前回のJIPDEC課題についてお聞かせください。なぜJIPDEC課題へ応募された(選択された)のですか?

松尾:最初に取り掛かったときは、難しいなと思いました。個人情報の大切さを強調するだけでは「わかってるよ」となりそうだなと。その中でなんとか印象に残る方法はないか、と考えていました。難しくてチャレンジ精神を掻き立てられたところは動機としてあると思います。

井上:応募したとき26歳だったんですが、デジタルネイティブ寄りの世代だという自覚はあります。PCもずっと近くにあって、ネットの怖さは子供の時から身近にありました。プライバシーマークのホームページはやはり真面目なので、ギャップとして、その恐怖感を物語チックかつキャッチ—にしました。JIPDEC課題は腕試し感がすごくありました。

—JIPDEC課題へはどのようにアプローチされましたか?

松尾:内容的にあまりふざけすぎてはいけないと思いました。ですが、どんなものなのかはホームページに詳しく書かれているので、まずはひきつけることが大切だなと。広告でひきつけて、それからホームページなどを調べてもらうのが良いだろうと。ひきつけるために必ずしもコミカルなアプローチが良いとは思わないものの、一つの手段としてありだろうということで、そういう意識をもって考えていました。

コピーに「時代は変わりました」と入れているのですが、これは当初は入れていませんでした。ターゲットに設定した、自分と同世代以上の人は、若い人に比べて個人情報に甘いという認識があったものの、これでは伝わりません。そこで、時代が変わったんだという言葉を入れてリアルタイム感を出しました。これで応募できるレベルになったなと感じたことを覚えています。

井上:真面目な課題を真面目なまま押し出してしまうと、とっつきにくいイメージになってしまうので、原型は残しつつ、空気を抜く感じで考えていました。(商品の性質上)イメージはしづらかったです。

—ではこの流れで、正直、他の課題と比べていかがでしたか?

井上:明確なターゲットを絞りづらいので、取り組みにくいと思います。プライバシーマークは「個人情報保護」ということで、ターゲットは「全員」となり、難しいところはありました。

松尾:難しいです。サービス内容も特殊なところがあるので。ただ、誌上オリエンの捉え方はそれぞれだと思っていて、ターゲットも、こちらで絞れば良いのだと思います。コピーを書きながら、JIPDECには合うかな?と最後まで考えていました。

窮屈に考えすぎず、視点を変えてみると幅広い表現ができる

—宣伝会議賞には色々な賞がありますが、各賞を意識して考えるということはありますか?

松尾:常にグランプリを意識しながらも、このコピーだと一次通過止まりかな?と感じたりはあります。そういうコピーをブラッシュアップしていきますが、これは実務でも行っていることです。まず書いてみて、見直し、書き直す。これを繰り返しています。書きながら自分で「これは協賛企業賞向けだな」と思うときなどはありますし、実務でも、これはクライアントへウケそうとか、反対にクライアントからはNGだろうけど提案はしたい、というものもあります。

井上:前回初めて参加したので、賞は意識していませんでした。ただ、前回はグランプリとコピーゴールドのW受賞で賞金もたくさんもらっていて、いいなと思いました。また、自分も相手(クライアント)の色に合っていないコピーであることはわかりつつ提案することも多々あります。思いついたからにはお伝えしたいので。

—では、前回受賞をしたり、ファイナリストになったりしたことで、変化はありましたか?

松尾:自分の中では最低限のプライドができたな、と感じています。1回の受賞(2019年の協賛企業賞受賞)ならまぐれかもしれませんが、今回ファイナリストになり、ある程度のレベルのコピーが書けるんだと、書けないとダメなんだと思うようになりました。

井上:メダルを首からかけておけ、などと社内でいじられるようになりました(笑) ただ、自分も前回の受賞がまぐれに思われないようにしないといけないと思っています。松尾さんにも贈賞式の会場で「また来年お会いしましょう」と言いました。

松尾:そうですね、また来年の贈賞式で仲間に会えるかな?という楽しみ方もあります。

—最後に、お二人からお話しいただいたように、無形商材かつターゲティングが難しいプライバシーマークですが、その課題に取り組まれる方へアドバイスをお願いします

松尾:考えすぎると書けなくなることがあります。例えばJIPDECの課題だと、「個人情報は大切」というのは、すでに刷り込まれていることだと感じています。では実際に個人情報関連で被害にあった人までを想定してコピーを考えるべきなのかというと、そこまで想定すると、がんじがらめになってしまうのではないかと思います。なので、ライトな表現をしても良いんじゃないかな、と思います。書けなかった頃は、「これはあの人を傷つけるかもしれない」などと考えすぎていました。誰も傷つかないものを考え続けるのではなく、宣伝会議賞は(少なくとも前回は)1課題につき100本応募できるので、井上さんの仰っていたように、1本ずつ設定を変えていけば、そういう悩みは解決できるのではないかな、と思います。

井上:一見考えにくい課題ではあります。ただ、無形商材であったり、ターゲットが広かったり、その分いろいろなことができる課題だと思います。どんな表現でも外れているターゲットがないので、幅広い表現ができる。窮屈に考えすぎずに、視点を広げて考えると良いと思います。その後、思いついたコピーを研磨していくのは、自らの力のみです。

第59回宣伝会議賞について

宣伝会議賞は、月刊「宣伝会議」が主催する広告表現のアイデアをキャッチフレーズまたはCM企画という形で応募いただく公募広告賞です。

【「第59回 宣伝会議賞」JIPDEC課題】

例えば前回は、以下のような作品をいただきました。一部をご紹介します。

  • 守っているものが見えないから。守っていることだけでも、見せませんか。
  • 覚えのない当選メールで、私は被害者に当選した。
  • 信頼できるかどうかは、見た目で判断できる。
  • なんて信用できる、聞いたこともない会社だ。

今年も、みなさまからのアイデアを、楽しみにお待ちしております。

この件に関するお問い合わせ

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電話:03-5860-7563

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