パーソルテンプスタッフ株式会社
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2017年11月1日掲載
自ら積極的に行動する社員の力が スムーズなPMS運用を支える
労働者派遣事業の先駆けとして、長年にわたり働く人をサポートしているパーソルテンプスタッフ株式会社。全国各地に拠点を持ち、従業員規模も拡大を続ける同社がPMSをスムーズに運用している背景には、事務局側の尽力とともに、社員一人ひとりの意識の高さもあるようです。
お話を伺った、ガバナンス本部 法務コンプライアンス部 情報管理室 室長 田中様。
会社概要
パーソルテンプスタッフ株式会社
本店の所在地:東京都渋谷区代々木二丁目1番1号
1973年設立/従業員数32,654名(※パーソルホールディングス連結で2017年3月31日時点)
「テンプスタッフ」ブランドで知られる労働者派遣事業、有料職業紹介事業、保育事業を行う。グループ全体としては国内に447拠点、国外に43拠点を構え、登録求職者数は780万人に上る。その中で、中核事業のひとつである派遣・BPOセグメントを担う。
取り扱う個人情報
- 労働者派遣事業、有料職業紹介事業において、登録スタッフの氏名、住所等の個人情報
- クライアント企業担当者の個人情報ほか
- Pマーク付与…2001年12月、登録番号…10860015(08)
- PMS運用事務局…法務コンプライアンス部 情報管理室
インタビュー
ルールが明確化されたことで社員の行動に自信が表れはじめた
Pマーク取得をめざしたきっかけは何ですか?
多くの人材情報を取り扱う会社として、個人情報を適切に管理する体制をできるだけ早く構築したいと考えていました。そのための方法がPマークの審査基準ではしっかりと示されていますから、そこを基準にPDCAを回していけば、自ずと適切な管理の体制が構築できるのではないかと考え、Pマークを取得することにしました。体制づくりのひとつの手段として、Pマークは非常に有効です。
取得以前と以後でどのような変化がありましたか?
もともと社員は個人情報取扱いに関してそれなりに高い意識をもっていましたが、管理の方法などは手探りで模索している状態でした。そこにPMSが導入され、明確なルールや手順が示されたことで、それらを遵守しながら自身の役割と責任のもとで自信をもって行動できるようになりました。当初の体制構築という目的が、Pマーク取得によって果たせたと言えるのではないでしょうか。
クライアントとの取引では、Pマークを持っていることを直接評価されることはなくても、取引先選定基準としてPマーク取得が求められることは多いので、やはり取得していること自体が信頼の裏付けになっているのだと思います。相手企業もPマークを取得している企業である場合は、個人情報管理の体制をゼロから確認し合わなくても信頼関係を結べるので、取引がスムーズです。
教育を通して意識を維持。PMS運用の中で事業成長も大切に
PMS運用において留意されている点はありますか?
昨今は特にですが、新しいサービスなどが次々と生まれているなか、事業として新しいことに挑戦しようとしたときに、そうした事業の成長を阻害しないことには気を配っています。前例がなかったり、第一印象としてPMSに合わないのではと感じても、無理だと決めつけず、PMSの要求事項を満たしたうえで現実的にどのような手順を定めれば実現可能であるのかを、担当者とともに考えることが大切だと考えています。
社員および派遣スタッフへの教育で工夫されている点を教えてください
従業員数が増していくと、どうしてもPMSへの理解、知識や経験に個人差が出てきます。ですから、どんなレベルでも、誰が見てもしっかりと実行できるようなわかりやすい表現で手順等を定めるようにしています。全社教育としては年に1回、eラーニングを中心とした講座の受講を設けているのですが、それに留まらず、何らかのトピックが発生したタイミングでその都度、そこに特化したツールを作成し、管理者を通して全社員に周知することも行っています。
また、派遣先で就労しているスタッフに対しては専用の啓蒙ツールを作成し、担当営業者を通して配布、確認などを行います。自社の社員に対しても言えることですが、「当たり前のことを、当たり前にやる」ということが結局のところ最も大切な部分ですよね。スタッフは社員以上に意識や理解の個人差が大きいですから、かならず全員にアプローチをして、その基本をしっかりと啓蒙するようにしています。スタッフに対して取組みを行うことでまた、担当営業者自身も成長し、PMSへの意識を維持することにつながっているようです。
社員の理解や意識が深まる一方で、新たな課題にも直面
PMS運用を管理する側として苦労されている点はどんなところですか?
多様化し、新しく生まれてくるリスクに対してどうしても後手後手になってしまうことに難しさを感じています。特にサイバー攻撃関連は次々と手口が変化し、なおかつ手が込んだものになっているため、予防や対策が完全に追いつかないのが正直なところです。そのようなリスクに対しては、とにかくネットで公開されている情報などを丁寧に拾い上げ、全社で共有し、備えるようにしています。
もうひとつ、嬉しいことでもあるのですが会社の規模が拡大しており、全拠点の隅々までをどう把握し、確認していくかという点も課題として感じていることです。これに関しては、より効率的に行える方法を検討しています。
従業員数、拠点数ともに規模の大きな貴社でPMSがスムーズに運用されている秘訣は何だと思いますか?
社員それぞれが自主的に動けているからではないでしょうか。
PMS運用の責任者は私ですが、例えば個人情報保護に関するトピックを全社に発信した際、追って部門責任者が自らの部門メンバーに向けて援護射撃的に、もういちど発信してくれるケースがよく見られます。また、営業部門のようなフロントに立って動く社員が、私たちのところに積極的に情報を取りに来ることも少なくありません。部門によっては、独自に個人情報保護の担当者を決めて行動しているところもあります。
PMS運用を他人ごとではなく自分ごととして捉え、よりよい運用に向けて自主的に動ける。そのような社員が育っているからこそ、スムーズな運用が可能になっているのだと思います。社員たちのそのような動きを目にすると、私たち管理部門側もやっていてよかったと嬉しく思いますし、もっと尽力しようと気が引き締まります。そうしたアクションを続けてもらうためにも、定期的なトピック配信やチェック体制の見直しなどを行いながら、全社員の意識を高めていくことに今後も力を注いでいきたいと思います。
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