3-1.「個人情報」の適正な活用による消費者のメリット
3時間目の冒頭では、少し視点を変えて、「個人情報」が活用されることで消費者にどんなメリットがあるか、また「個人情報」の保護との両立について考えていきましょう。
まず、カタログ通販を例にしてみましょう。
カタログから選んで洋服を注文したとします。通販会社は、私たちからの注文という「個人情報」を記録して、次のシーズンにも好みに合った洋服のカタログを送ってくれます。これは、企業が私たちの「個人情報」を保有しているからこそ提供できるサービスです。企業が「個人情報」に基づいて、私たちの好みやニーズを理解し、的確な情報を提供してくれることは、私たち消費者にとって大きなメリットをもたらしていると言えるでしょう。
企業は、消費者が何を求めているかを的確につかみ、ニーズに合った製品や商品を発売していくことで効率的な事業活動を展開していきます。この活動をより効率よくしていくためには、顧客一人ひとりを識別するとともに、消費者の傾向や好み、趣味などを結びつけて分析し、その顧客に合った最適な販売戦略を立てることが必要です。その戦略の基礎となる顧客の「個人情報」は企業にとって重要な「財産」と言えるのです。
では、懸賞に応募したり、アンケートに記入したら、知らない企業からダイレクトメールが届いたり、勧誘の電話がかかってきた、という経験はありませんか?
サービスの情報提供であっても、それが思いがけないものであると、「どうして自分の連絡先を知っているのだろうか?」「どこから自分の個人情報が提供されたのだろうか?」といった疑問が浮かんでくると思います。
企業は、「個人情報」を「活用」しながら事業を展開すると同時に、その「保護」に務めなければなりません。「個人情報」の取り扱いに関する方針を定め、公表するとともに、「個人情報」を適正に取り扱える社内的な仕組みを築き、顧客と交わした「個人情報」についての約束を守ることは企業の社会的な責任なのです。
つまり、「個人情報」の取り扱いには「活用」と「保護」の両面があり、それらを両立させることが大切なのです。
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