お知らせ

TOP > お知らせ > その他 > 2022年 > 「第59回宣伝会議賞」のJIPDEC協賛企業賞が決定しました。

「第59回宣伝会議賞」のJIPDEC協賛企業賞が決定しました。

JIPDECでは、日本最大の公募広告賞「宣伝会議賞」へ協賛を行い、コンテストの課題を掲出しております。

この度の第59回宣伝会議賞では、JIPDEC課題への応募作品からファイナリストへ選出された作品が「コピーゴールド」を受賞し、またあわせて、JIPDECによる協賛企業賞が、以下の作品に決定いたしました。2作品への、プライバシーマーク推進センター担当常務理事からのコメントと合わせて、作品をご紹介いたします。またお二人のインタビューもございますので、ぜひご覧ください。

この度は、JIPDEC課題「プライバシーマークの魅力を伝えるためのアイデア」へ、たくさんのご応募をいただきまして、誠にありがとうございました。

※2022年4月1日:インタビューを掲載しました。

受賞作品

  ●コメント:JIPDECプライバシーマーク推進センター担当常務理事 竹内 英二
今回も当協会の課題へ多数のご応募をいただきまして、心より御礼申し上げます。
昨年までの課題「多くの人に知ってもらうアイデア」から、今回は「魅力を伝えるアイデア」といたしました。その中で、実際に起こったことを想像すると鳥肌が立ちつつ、そうならないようにするための、企業の努力の証であることを的確に表現いただきました。また、企業の努力・外には見えない努力を、見える形にするものであることを、端的に表現いただきました。両作品とも、私共の想像をはるかに超え、プライバシーマークの魅力を伝える作品であり、私共としても色々な発見をいただける、素晴らしい作品でございました。この度は、誠におめでとうございます。また、繰り返しになりますが、当協会の課題へたくさんのご応募をいただきまして、誠にありがとうございました。

受賞者インタビュー

戦えるものを見つける機会。一番になれないと「悔しい」と思える機会。
~第59回宣伝会議賞 丸山様(コピーゴールド)、寺門様(協賛企業賞)インタビュー~

JIPDECでは、今回の「第59回宣伝会議賞」にて、JIPDEC課題への応募作品にてコピーゴールドを受賞した丸山優河さんと、JIPDECの協賛企業賞を受賞した寺門眞一さん(以下、敬称略)にお話を伺いました。プライバシーマークを調べてみての感想、宣伝会議賞の面白さ、そして広告の良さ……。ぜひご覧ください。

「面白い」と感じたものは、なぜ面白いのかを分析してみる

 —まずはキャッチコピーをはじめとした「アイデアを考える」という観点からお聞かせください。日ごろからどのようにして考えられていますか?

丸山:自分の感情が動いた瞬間を起点にしており、感覚的に捉えた「良い点」「面白いと思う点」を言葉や論理に落とし込むことを意識しています。「これ良いな」と感じたものは、企画意図や社会的なバックボーンまで細かく見ていくようにしていますし、なぜ面白いのかを分析してみています。例えば最近だと、京都水族館の電車広告で、飼育されているペンギンたちや飼育員さんが、お互いのことをどう思っているかを相関図で示した事例がすごく面白かったです。クローズドな人間関係をのぞき見できる仕組みは、バチェラー・ジャパンやテラスハウスなどのヒットコンテンツにも見られるので、多くの人が惹かれるのかもしれないなと感じました。そういう構造的なところまで考え、ストックしているイメージです。

寺門:以前、通販会社の商品企画開発に携わっており、カタログ制作を進めていく中で徐々に広告などに興味を持ち始めました。自社の商品やサービスに対して、自身のアウトプットが似通ったもの、陳腐な表現になりがちになってしまう中で、意識的に他ジャンルの制作物や表現方法をたくさんインプットするクセをつけていきました。宣伝会議賞では、SKATなどもアイデアを考える上で参考になる情報源だと感じています。

—寺門さんはコピーを考えるうえで日ごろから気にしていることなどはありますか?

寺門:YouTubeなどの動画配信サービスは、現代を象徴するメディアの一つだなあと感じながら、ブログやまとめサイトといった個人が発信する文字情報とは一味違った情報源として、よく活用しています。他にも、本や映画なども好きなのでよく観ています。自分の趣味ではないけれど巷で話題の作品などにも、できるだけ触れる機会を持ちながら、客観的な視点も取り入れられるように意識しています。

—お二人の目から、好きなキャッチコピー、面白いと思った企画などはありますか?

丸山:ACジャパン/日本動物愛護協会の『「親切な人に、見つけてもらってね。」優しそうに聞こえても、これは犯罪者のセリフです。』が、最近では個人的にすごく好きです。企画でいうと、カンヌライオンズ2019のPR部門でグランプリを獲った『THE TAMPON BOOK』(The Female Company,ドイツ)。プロダクトが即日完売したところもそうですが、これを通じて、ドイツで法改正の動きまで生まれたというのがすごい。広告やクリエイティブに、そんなパワーがあるんだと思いました。世の中がまだ気づいていない、強い事実やインサイトを提示して、思わずハッとなる気づきを与えてくれるものが好きですね。

寺門:前田知己さんの刺激的なコピーやビジュアル(『国会議事堂は、解体。』『おじいちゃんにも、セックスを。』など)で話題となった宝島社の広告は、楽しみにしている広告の一つです。時代に合わせた発見や気づきに、新たな提案や価値観を乗せている点が魅力的だと感じています。他には、児島令子さんの、柔らかな語り口で大きな気づきを与えてくれるコピーが圧倒的だなあと感じています。中でも日本ペットフードの『死ぬのが怖いから飼わないなんて、言わないで欲しい。』は今でも鮮明に記憶しています。キャッチコピーからボディコピーまで一気に読み進めたくなってしまう、そんなクリエイティブが好きです。

—丸山さんは今回の宣伝会議賞でもそうでしたが、社会的なメッセージ性が高い作品の制作が得意ですか

丸山:
そうですね、好きだし得意だと思います。PRの仕事でも、社会的な文脈を探してメッセージを発信することが多いですし、取り組む意義も強く感じられます。
 

「企業の努力や工夫を、いかに100%に近づけるか」がマークを考えるポイントだと思った

—それでは宣伝会議賞についてお聞きします。なぜJIPDEC課題へ応募されたのですか?

丸山:全課題に応募しましたが、最も作品数を多く提出したのがJIPDECでした。私は、社会性のある課題を中心に攻めるのが、結果を出す上で有効だと考えていました。プライバシーマークはまさにそういったテーマだと感じたので、積極的にトライしました。また、取り組み自体にも意義を感じていたので、モチベーションが維持しやすかったということもありました。それからもう1点。第59回の宣伝会議賞では、課題発表より前に協賛企業名が発表されたんですが、JIPDECは昨年・一昨年にも同様の課題を出されていたので、「今年もプライバシーマークかな?」と予想して、応募開始前から考える猶予があった、というのも理由でした。

3年連続でプライバシーマークが課題かとは思わなかったですか?

丸山:取り組みたいテーマで、先例も豊富なので、個人的にはむしろありがたかったです。周りからは、「またPマークか…」という声も聞こえましたが(笑) ずっと協賛されているからこそ、「またか!」と盛り上がったりもしています。

 —宣伝会議賞をきっかけにプライバシーマークを調べていただいた中で、どのような印象を抱きましたか?

寺門:たまたま職場で個人情報保護に関する業務を担当することになり、いま会社に足りていないものは何か、そのためにはどういった手順で、何を準備する必要があるのか……など、様々な視点で検討を進めながら、あらためて自身の知識の無さを痛感しました。また、企業側の視点から見たプライバシーマーク導入に対する想いと、消費者側から見えるイメージの間には、少し温度差があるのではないかという印象を受けました。

丸山:もともとは、ホームページをスクロールしていくと一番下に「なんかあるなぁ」という程度の印象でした。プライバシーマークが「ある企業」と「ない企業」があることにさえ気づいていませんでした。でも課題に取り組んでみて、プライバシーマークが「ある」というのは特別なことなんだなと感じました。だからこそ、まず「有無」を意識してもらうことが、プライバシーマークの存在感や意義を伝えるチャンスにつながるのではないかと考えています。


—では、取組後、印象が変わったことなどありますか?

丸山:複雑なフローをたどったうえでお墨付きをもらうということから、マークがあること自体が特別なんだなと感じました。

寺門:過去2年の応募作品を見て感じたのは、個人情報の「流出」「漏えい」など、トラブルのときの消費者の心情や、トラブルに巻き込まれないために、マークの持つ価値をアピールするコピーが多いなあという印象でした。ただ、社内外の従業員やその家族などが引き起こす人的リスクも多いのではないかと感じました。なので、”環境”に対しても一定以上の信頼を担保する、ということもマークが持つ意義の一つではないか、と。もちろん、「マーク取得=流出などのリスクを100%防止」という単純な話ではありませんが、日ごろの努力や工夫によって、そうしたリスクをいかに減らすことができるか……という視点が、考える上でのポイントなのかなと感じていました。
 

 —JIPDEC課題へは、取り組みにくかったですか?

丸山:比較的取り組みやすかったというのが実感です。社会性のある商材が個人的にやりやすい、というのと、前例があるので攻める切り口が見える、という点からです。また、自身の体験として、インターネット利用中に詐欺まがいのものに引っかかりそうになって、ドキっとしたことがあり…(笑) JIPDEC課題で一次審査を8本通過していたので、手応えと結果がうまくハマった課題なのかなと思っています。

寺門:過去の課題とは少し違った角度でしたが、過去の応募時に絞り出したアイデアをベースにして、新しい切り口や表現を考える、という形で臨みました。過去の選出作品も(SKATで)拝見しつつ、そこにはない切り口を探るといったこともできましたし、ゼロからのスタートではなかったので、進めやすかったです。ただ、とは言っても難しかったですね。

BtoB商材は宣伝会議賞の課題としては少ないですが、いざ取り組むときにアドバイスなどありますか? 

丸山:個人的に、BtoB商材が難しい理由は、生活者に向けたメリットやメッセージが感じづらいためと考えています。その点、プライバシーマークはメリットが明確なので、他のBtoB課題より取り組みやすいと感じました。いずれにしても、リサーチするなかで「良いな」と感じられた価値を起点に、商材の本質を掘り下げていくのが大事だと思います。

寺門:宣伝会議賞で、毎年「一般ユーザー向け商品」を課題に取り上げていらっしゃったセメダインさんの課題が、ある年「企業向け商品」に変わったことがありました。それでもやりにくさは、それほど感じなかったんです。企業向けとはいっても、その商品を使用しているのは一人の人間ですから、その個人をとりまく環境や心の動きなどを想像しながら考えを深めるようにしています。なので、アイデアに行き詰まるということはないかもしれません。今回の課題で言うと、Pマークを企業が導入するには、ということは考えますが、そこから少し俯瞰して、では「(企業が導入すると)個人にとってどのように見えるのか」といったような視点で考えたりもしました。BtoBを起点としながらBtoBtoC、つまり、企業がエンドユーザーに対してどのようなメッセージを伝えられるマークなのか、といった視点で考えてみるということが、今回選出いただいたコピーにたどり着いた、一つの考え方だったような気がしています。


表現で「好意的」に変換していくことは、とても素敵

—宣伝会議賞をはじめとした公募大会の良さを教えてください。

丸山:一つは、制作に携わる者として。1から10まで、すべてを主体的に作り上げる経験になることがとても大きいと感じています。特に若手だと、仕事は経験豊富な上長がリードしながら”みんなで作り上げていく”ことが多くなるので、自身の実力や貢献度が見えにくいこともあると思います。一方で公募は、自分がチャレンジしてみたい提案・表現の熱を100%の純度でぶつけることができます。だからこそ、実力不足を痛感する機会でもありますが、戦える部分を見つけることもできたりします。何より、一人で全てを作り上げることの経験値はとても大きいですし、すごく良い機会だと思っています。
もう一つは、広報パーソンとして。広報やPRはこれまで、マスメディア(テレビ、新聞等)に自社や商品を取り上げてもらうことで、戦略的に人を動かすアクションとして注目されていました。でもいまはメディアも多様化していますから、それだけで人は動かない。コピー・企画・デザインなど様々な領域のノウハウを、仕掛ける側の人間が身につけることが大切だと考えています。公募は、それにつながるチャレンジの場として、非常に貴重な機会だと感じています。

寺門:毎年様々なジャンルの課題が発表されて、応募締め切りまで一ヶ月程度。その間に”ああでもない、こうでもない”と考えを振り絞る時間は、自分自身の引き出しを増やすことにもつながっているような気がしています。一番になれないと、やっぱり悔しいんですよね。応募総数も年々増加していますし、中高生部門も創設されたりする中で、そういった悔しさも味わえるいい機会なんです。出して終わりではなくて、いろいろな感情や経験が積み重ねられる貴重な場だと思っています。


—最後に、広告は、<邪魔なもの>と言われることもあります。でも、その中でも、お二人の思う<広告の良さを、教えてください。 

寺門:時代によって企業が何を考え、何を言うか。それが毎年アップデートされていく。作り手も受け手も、楽しみにしている部分もあるんじゃないかな、と思ったりします。確かに、読み飛ばされたりする広告もたくさんあります。でも、引っかかったり、魅力に感じたりするものが、街中にあふれる瞬間もあります。そういうものが増えていくことを望んでいますし、そういう方向に行けば良いなと思っています。宣伝会議賞は、そういった感覚を疑似体験できるものだと思います。

丸山:確かに広告自体は、人の視界や時間に勝手に飛び込んでくる「邪魔なもの」だと思います。そんな、本来マイナスの存在のものを、いかに好意的に捉えてもらえるよう変身させられるか、という取り組みだと考えています。そのために、人の気持ちや感情を丁寧に想像する、とても素敵な試みだと思います。

第59回宣伝会議賞について(終了)

宣伝会議賞は、月刊「宣伝会議」が主催する広告表現のアイデアをキャッチフレーズまたはCM企画という形で応募いただく公募広告賞です。

【「第59回 宣伝会議賞」JIPDEC課題】
  • 課題 :「プライバシーマーク」の魅力を伝えるためのアイデア
  • ジャンル :キャッチフレーズ/ラジオCM/テレビCM
  • 応募期間 :2021年10月1日(金)~ 2021年11月18日(木)
  • 第59回 宣伝会議賞特設サイト :https://senden.co/
 その他には以下のような作品をいただきました。一部をご紹介します。
●0.2秒で、わかる安心。
●人間にもついてたらいいのに。
●行きつけのお店が生まれる理由は、案外細かい。
今回も、たくさんのご応募をありがとうございました。

この件に関するお問合せ先

プライバシーマーク推進センター
電話:03-5860-7563

公開日

2022年4月1日

ページトップへ戻る