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平成28年度 消費者相談受付対応概要

はじめに

JIPDECプライバシーマーク推進センター内の「消費者向け相談窓口」及び認定個人情報保護団体の相談窓口である「個人情報保護苦情相談室」(以下、両相談窓口を総称し「相談窓口」)が、平成28年度に受け付けたプライバシーマーク付与事業者(以下、「付与事業者」)等の個人情報の取扱いに係る苦情・相談等(以下、「相談」)の概要について取りまとめましたので、ご活用下さい。

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平成28年度 消費者相談受付対応概要 (参考情報ページへ)

平成28年度の相談受付件数

相談受付件数は376件、前年度(平成27年度)の422件より46件(12.2%)減少した。
相談受付件数の内、付与事業者に関する件数は296件であった。【表1】

【平成28年度の相談概要】

  1. 電話による相談受付割合は全体の71.0%を占め、前年度より増加した。【表2】
    (27年度:68.7%⇒28年度:71.0%)
  2. 業種別では、前年度と同様に「情報サービス・調査業」84件(28.4%)、「人材サービス業を含むその他の事業サービス業」82件(27.7%)、「卸売・小売業」32件(10.8%)の順に多い。【表3】
    • 「印刷・出版業」「旅行業を含む運輸に附帯するサービス業」「卸売・小売業」の割合は、前年度より増加した。
  3. 相談種別では、「個人情報の安全管理」が134件(28.5%)と最も多く、その内の89件が『漏えい・紛失』に係る相談である。次いで、「個人情報の開示等」78件(16.6%)「プライバシーマーク制度関係」71件(15.1%)、の相談が多い。【表4】
    • 「プライバシーマーク制度関係」は、前年度より件数・割合共に増加した。
    • 「個人情報の開示等」は、前年度より割合が減少したが、例年同様、個人情報の利用停止(消去)に関する相談内容が目立っている。
  4. 相談窓口の調査・説明等により解決した件数は359件、相談受付件数の95.5%で、割合は前年度より若干減少した。【表5】
  5. 付与事業者への確認・調査は108件について実施し、全相談受付件数の30%弱となっている。

1.相談受付件数

平成28年度の相談受付件数は、前年度(平成27年度)に比べ46件(12.2%)減少した。
相談受付件数376件の内、付与事業者に関する相談受付件数は296件である。

表1:付与事業者数および相談受付件数

2.相談受付方法・相談者の属性

電話による受付割合は、前年度に比べ増加(68.7%⇒71.0%)した。また、電話による受付割合は全体の71.0%を占め、Web問合せの受付割合(27.4%)を大きく上回っている。

なお、電話による全受付件数における、認定個人情報保護団体の相談窓口(個人情報保護苦情相談室)での電話受付件数の割合は、前年度より大幅に増加(41.5%⇒47.6%)した。これはプライバシーマーク付与事業者である認定個人情報保護団体対象事業者において、所属する認定個人情報保護団体として、JIPDECの個人情報保護苦情相談室連絡先をホームページ等に明記することが徹底されてきていることがその要因と推測する。

また、相談者の属性は、平成28年度においても前年度と同様に、男性からの相談受付件数・割合共に多い状況(215名:57.2%)であるが、前年度より女性の割合が増加(34.3%⇒37.5%)した。

表2:相談受付方法

3.業種別相談受付件数

付与事業者名が特定できた相談受付件数296件の内「情報サービス・調査業」は、最も相談受付の多い業種であり、全体の28.4%を占めているが、前年度より割合は減少している。(29.5%⇒28.4%)

また、「印刷・出版業」「旅行業を含む運輸に附帯するサービス業」「卸売・小売業」の割合が、前年度に比べ増加し、「不動産業」「結婚情報サービス関係を含むその他の生活関連サービス業」の割合は、前年度より減少した。

相談受付件数の業種別割合を付与事業者の業種別割合と比較すると、例年と同様に消費者が直接係る場面が多い「結婚情報サービス関係を含むその他の生活関連サービス業」、クレジットカード事業者を含む「金融関係」において、付与事業者の業種別割合に比べ、相談受付件数の業種別割合が高くなっている。

表3:業種別相談受付件数

4.相談種別

「4.個人情報の安全管理」についての相談は134件を受付け、前年度より件数は減少したものの、全相談種別の28.5%を占め、前年度より割合は増加している。(26.7%⇒28.5%)

前年度より相談受付件数が減少している状況において、「プライバシーマーク制度関係」は件数・割合共に前年度より増加(67件(12.7%)⇒71件(15.1%))しているが、これは、プライバシーマーク制度を理解された相談者より、「事故報告」や「プライバシーマーク審査」等についての相談申出や、「付与事業者の個人情報の取扱いの問題」であることをより意識した相談者からの申出の増加によるものと考えられる。

一方、「6.個人情報の開示等」は、前年度より割合が減少(18.3%⇒16.6%)したが、例年同様個人情報の利用停止(消去)に関する相談が多い状況である。

「7.苦情等の窓口対応」は、本来の相談の要因となる問題(例えば個人情報の安全管理の問題等)の解決・処理が適切に行われず、付与事業者等の窓口対応の問題に転嫁した申し出となったものが多いと推測するが、その割合は前年度より若干減少した。本来の問題の適切な解決・処理を行うことが減少につながると考える。

「10.その他」には、前年度と同様に、付与事業者等のサービス・契約等業務に関する問題が最も多く、その他、雇用関係の問題、インターネット上の問題(なりすまし等)に関する内容等が多い。

表4:相談種別

5.解決状況

解決した相談の割合(95.5%)は、前年度より減少した。解決の処理状況(結果)としては、「事務局内調査等で解決」の割合が33.8%と最も多く、次いで、「相談者への情報提供」「自主交渉のアドバイスとしての指導・助言」の順となっている。「事務局内調査等で解決」の割合の減少は、相談窓口担当者の説明・アドバイス等で相談者が納得(解決)され、付与事業者への調査等に至らなかった案件が増加したことも一因と考えられる。

なお、「その他」は前年度より増加しているが、その殆どは、相談者に電子メールで回答した場合のメールの未着や、Web問合せフォームからの申出に対する自動返信メールの未着等、相談者と連絡がつかない状況のものである。

表5:解決状況

6.その他

相談対応における付与事業者への確認・調査については、以下のとおりである。

確認・調査を実施した件数の割合は前年度より減少し、全相談受付件数の30%弱の相談について、付与事業者に確認・調査を実施している。

前年度に比べ、JIPDECが直接確認・調査を実施した件数の割合が減少(68.1%⇒54.6%)した。これは審査機関が付与適格決定を行った事業者の割合が増加していることも一因と考える。

表6:付与事業者への確認・調査件数

(参考)相談種別ごとの主な相談事例の紹介

1:取得に関する相談
  • ポイントサイトに登録し、キャンペーンに参加して空メールを送信したところ、怪しい事業者から迷惑メールが来た。ポイントサイトのキャンペーンと思っていたが、実際には別の事業者のキャンペーンであり、個人情報が不適切に取得されたのではないか。
  • ポイントサービスを行っている事業者から、高校受験用DMが届いた。ポイントサービスの事業者には家族情報を提供していないため不審に思い、状況を問合せたが、納得できる回答を得られなかった。個人情報の取得の説明に納得がいかず、不信感を持った。
2:利用に関する相談
  • 会員になっている仕事紹介サイトに問合せを行い、回答は電話でするよう依頼したが、事業者はメールで報告をしてきた。緊急事態でもないのに、指定した電話ではなくメールで回答をしてきたことは個人情報(メールアドレス)の目的外利用ではないか。
  • マンションの区分所有者情報を用いて、マンション管理会社が自社DM(新しいサービスの案内)を送付したことは、個人情報の目的外利用に該当するか、判断して欲しい。
3:提供に関する相談
  • ハローワークの求人情報を見て、応募に必要な書類を指定の住所に郵送したところ、採用代行会社が書類を受け取っていることがわかったが、その旨は事前に知らされていなかった。
  • 登録した人材派遣会社に提出した経歴書等が、私の知らない別の人材派遣会社に渡されていた。また、派遣先との面談の際にも別の人材派遣会社担当者が同席をしていたため、登録した事業者の個人情報の取扱いに疑問を持った。
4:適正管理に関する相談
  • 私の個人メールアドレス宛に、大人数の個人情報(氏名・勤務先名、給与等)を含む資料のファイルがある企業から誤送信された。添付ファイルに設定されたパスワードも、メール本文中に明記されており、個人情報の取扱いとして問題がある。
  • 結婚情報サービスを利用しているが、会員サービス用WebシステムのID/PWを入力してログインするサイトのSSL証明書の有効期限が過ぎている。いつまで経っても改善する様子が見られないので、利用することを躊躇っている。
5:開示等に関する相談
  • 亡くなった妻宛にDMが届いたので、DMの発送中止の申出をしたところ、申請書と証明書の提出が必要と言われた。DMを止めるだけの為に、そのような書類が必要なのか。電話だけで対応出来ないものなのか。
  • 旅行会社のインターネット会員の会員登録を解除したはずなのにメールが届いた。苦情を申し出たところ、「会員登録の削除は行ったが、保管しているメールアドレスに案内メールを送信した」と説明された。しかし、どうしてメールアドレスを保管していたのか等の説明がなく、納得できない。
6:窓口対応等に関する相談
  • イベントの参加費を後払いするにあたり、本人確認書類の提出を求められたが、事前にその旨の説明はなく、また、その書類の保管に関し、事実と異なる説明をされた。
  • 個人情報削除の申出の為に、サイトの個人情報の開示のページに書かれている電話番号に電話をしたところ、「この窓口は商品のことには対応するが、個人情報のことは分からない」と言われてしまった。
7:プライバシーマーク制度に関する相談
  • 採用試験を受け不採用となった会社から返送された応募書類が、別の人の採用応募書類であった。この件で、この会社が事故報告を行っているか確認したい。
  • 独身証明書の提出が求められない婚活サイトで、女性会員は無料であると表示されているが、そういうサイトの運営事業者には、プライバシーマークは付与されないのではないか。
8:その他の相談
  • (なりすましにあったようで)身に覚えのない資料が複数社から届いたので、関係先に状況等を確認したい。
  • 解約の際に、本人確認書類として、保険証のコピーを書類に添付させられたが、悪用されたり、流出されたりしたらと心配だ。
【相談担当・:A子・B子より ひとこと】

<A子からのひとこと>

先日、【不採用になった会社が、私に返送する履歴書を別人に送っていた】という相談対応を行いました。採用されなかった上に、自分の個人情報が漏えいしたとなれば、当事者(相談者)の怒りはなかなか収まらず、苦情の申出をされる気持ちも理解できます。不採用者の履歴書返送の際には、特に慎重に作業をして欲しいと思いました。

また、【退職後に事業者が発送した離職票が届かず、行方不明になっている】という相談の対応を行いました。退職者からの相談は28年度も多くあり、「お客様の個人情報を漏えいすると懲戒解雇の対象となるのに、従業員の個人情報は守らなくてもいいものなのか」、「再発行の書類だけが送られてきており、謝罪や紛失経緯の説明対応をする気もないようだ。」などのお話もありました。個人情報の取扱いの問題以外に、従業員であったが故の、元勤務先への批判も含めたお申出となるケースも見られます。

従業員(退職者も含む)の個人情報についても、取扱いには十分注意をして、漏えい等を起こさぬよう適切に取扱わなくてはなりませんが、万が一事故が発生した場合は、顧客の個人情報の取扱いと同様に、社内ルール(PMS)に則した苦情の対応等が必要ではないかと思います。

<B子からのひとこと>

最近、【マンション管理人が他の住人に私のことをしゃべっている】という申出が、複数相談室に入りました。仕事柄、マンション管理人はマンション居住者と話す機会が多いと思いますが、他の居住者に関して話をせざるを得ない時には、個人情報の無断提供(漏えい)とならないよう十分な注意が必要です。マンション管理会社は、マンション管理人への個人情報保護についての教育を適切に、継続的に行うことがポイントになるかと考えます。

以前から気になっているのが、事業者が相談者への説明の中で「プライバシーマーク付与事業者なので、対応出来ないと言われた」との申出です。
例えば

  • 私の個人情報を抹消して欲しいと事業者に申し出たところ、「プライバシーマーク(制度)で決まっているので対応出来ない」と言われた。
  • 個人情報の同意書面の内容について事業者に質問したところ、「プライバシーマーク(制度)で決まっていることなので、うちでは分からない」と言われた。
等があります。

プライバシーマーク制度や自社の規定(PMS)についての勘違い等により、誤った説明が行われてしまうことがありますので、教育の際には、個人情報の取扱いのルールは、自社の業務内容を踏まえて規定しているものであることも周知しておく必要があるのではないでしょうか。

この件に関するお問合せ先

プライバシーマーク推進センター
電話:03-5860-7563

公開日

2017年9月29日

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